星撮影 〜カメラ設定編〜

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星撮影時のカメラ設定

星撮影を行う上で大事なことは、

  • 天気
  • 撮影場所
  • カメラの設定

の3つだと思います。
天気はもう祈るしかありませんし、撮影場所はとりあえず有名なところに行けばなんとかなります。
なので、星撮影を始める場合はまずカメラの設定から押さえましょう!

撮影に必要な道具についてはこちらにまとめていますので参考にどうぞ


カメラの設定方法

夜桜と流れ星

上の写真は設定中に流れ星が流れてしまった写真です。
設定は素早く済ませましょう!
また星撮影は必ず三脚に設置してからにしましょう!
三脚がない場合は地面に置いて固定するなどの方法もありますが、構図が限られてしまいます。
せっかく夜中に撮影に行っているのに色々な構図で撮影できないのはもったいないですよ!

カメラ側の設定項目は以下の項目になります。

  • ピント調整
  • カメラ設定

上記の設定が完了したら撮影に入りましょう!

ピント調整

星撮影ではマニュアルフォーカス(以下 MF)でピントの調整を行います。
フォーカスを無限遠側に回し切ってから合わせ始めるとすぐに合わせることができるため、無限遠からピント調整を始めましょう。
手順は、

      構図を決める
      絞りを開放、ISO3200〜6400に設定する
      ライブビューで構図内の明るい星を探す
      見つけた明るい星にピントを合わせる

という順番になります。

構図を決める

先に構図を決めてからピントを合わせましょう。
ピントは構図を合わせるごとに確認することをお勧めします。
移動時にずれていることもありますので…以前やらかしました…笑

ライブビューで構図内の明るい星を探す

ピント調整は背面モニターのライブビューで行いましょう。
ファインダーを覗いてピントの調整を行うのはなかなかきついです。
ミラーレス機ならまだ良いのですが、一眼レフ機だと暗くて見にくいですし。
ライブビューでの明るさを確保するために絞り開放・ISO高感度にしています。
また、ピント拡大機能があればかなり細かく追い込むことができます。

背面モニターの明かりは他の撮影者の邪魔になったり、夜空に慣れた目には明るすぎます。
なので明かりは最小にしておきましょう。

ピントを合わせる

ピントが合っているかどうかの判断は星のぼやけ具合で判断することができます。
ピントが合っていない場合は星が点に写らずボケているような感じで写り、合っている場合は点で写ります。
また星にピントが合う位置はレンズによって異なります。
画面に表示されているフォーカスの数値が数メートル先の時が一番点像になったりすることもありました。
気温などの環境の影響も受けると思いますので、毎回現場でしっかり確認しましょう。

この写真はピントがしっかり追い込めていなかった写真になります。
14mmですので端はともかく、中央も星が妙に大きくなっているため星座なども分かりにくい状態です。

ピントが合っているとこんな感じになります。

カメラ設定

設定はレンズや環境、現像方法によって色々あるかと思います。
ここではRAW1枚の現像を想定した撮影方法を記載します。

マニュアルモードに設定

カメラの絞り、シャッタースピード、ISO全て設定した値で撮るためにマニュアルモードで撮影を行います。

露出の設定

星撮影ではこの値を基本にしています。
カメラとレンズは以下の組み合わせになります。
カメラ本体:Sony α7R Ⅳ
レンズ:24mm F1.4 GM

  • ISO
  • ISO3200

  • F値
  • 1.8

  • シャッタースピード
  • 15秒

上記の設定で撮影して写りを確認してからF値やISOを変更します。
街明かりなどの光源が入っている場合はISOを変更しています。
F値は隅まで点で写したい場合に少し絞ったりします。
開放の方が明るくなりますが、隅のコマ収差が残りやすいので開放から1、2段絞った辺りがお勧めです。
また絞りは最大でも2.8までにしておきましょう。
それ以上絞ると暗くなり過ぎてしまいます。

シャッタースピードについて

シャッタースピードは使用するレンズの画角によって上限が異なります。
望遠レンズになる程シャッタースピードの上限が短くなります。
画角ごとのシャッタースピードの上限は500ルールというもので求めることができます。

上限シャッタースピード =
    500 ÷ レンズの焦点距離(mm)

この式から星が点として写る限界のシャッタースピードを求めることができます。
24mmのレンズであれば約20秒ほどが上限となります。
ある程度の星を写すのであれば、10秒以上は確保したいところです。
なので、50mm以上のレンズを使用する場合は赤道儀などがないと撮影が難しくなります。
Sony α7S ⅢとかならもっとISO上げてもノイズ少なそうなので試したいですね…笑

また夜空も時間帯によって色味や明るさが異なってきます。
撮影場所の環境に合わせた露光時間を設定しましょう!

撮影

設定が終わったらいよいよ撮影です。
基本的にはレリーズでシャッターを切り続けるだけなのですが、何点か注意点があります。

手ぶれ補正のカット

三脚を使用する場合、手ぶれ補正は切っておきましょう。
ブレてないのにブレた扱いになり、補正が入ってしまい変なことになってしまいます。

現像方法まで考慮した撮影をする

星写真を綺麗に見せたい場合はRAW現像が必須となります。
1枚のRAW画像を現像して完結すると、高感度ノイズやカラーノイズがある程度残ってしまいます。
もちろん1枚のRAW画像を現像して終わりでも良いのですが、ノイズのせいで少し汚く見えるのもまた事実…

このようなノイズを解消するためには、同じ構図で何枚も撮影してコンポジットと呼ばれる合成を行います。
コンポジットを行うためには、出来る限り撮影間隔の小さい同じ構図の写真が10〜20枚程必要になります。
そのため、コンポジットを行う場合はバースト撮影のハイスピードで撮影を行います。
インターバル撮影でも撮影間隔を0秒にできる場合はそちらでも大丈夫かと思います。
ちなみにSony α7シリーズはインターバル撮影間隔を0秒にはできません笑

コンポジット処理はPhotoshopでも可能ですが、なかなか手間のかかる処理なのでソフトを使って行いましょう。
Windows PCだとSequatorが有名でしょうか?
フリーソフトなのでお手軽に始めることができます。
Mac PCだとstarry landscape stackerという有償ソフトになります。
Macだとフリーソフト見つからないんですよね…
starry landscape stackerは今使っていますが、本当に綺麗にノイズ除去してくれます。
現在の撮影だと、1つの構図に最低でも10〜20枚の写真を重ねてノイズ除去を行なっています。
starry landscape stackerだと最低5枚、大体10〜15辺りでノイズが良い感じになくなります。

星撮影は簡単です!

夜桜と星_2
ここまでに紹介した設定で撮影すれば星の写真は簡単に撮ることができます。
より良い写真にするにはタイミングも重要になってきますが、そこは運次第と割り切ることも大事かなと思います笑
普通の風景写真よりも準備するものと気をつけることがありますが、とても幻想的な光景も見ることができます。
これを機会に星撮影も始めてはいかがでしょうか!!

  • 三脚を使用する
  • ピントはMFで星を使って調整
  • マニュアルモードで撮影
  • 露光は環境に合わせる
  • 手ぶれ補正のカットを忘れずに!

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